大﨑クリニック 院長 大﨑緑男 魚津市寿町４－５ ℡ （０７６５）２３－１００１
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検査データの読み方 （№１０） ２００７．６．１５発行
もうすぐ健康診断が始まります。今回は検査結果をみて御自身で判断できるように、データの読み方について解説します。
１．血球系検査
・赤血球（RBC）男 438～577万/μL、女 376～516万/μL
肺で取り入れた酸素を全身に運び、二酸化炭素を回収して肺へ送る役目を担っています。
多すぎれば多血症、少なすぎれば貧血が疑われます。
・血色素（Hb）（ヘモグロビン）男 13.6～18.3g/dL、女 11.2～15.2g/dL
赤血球に含まれたたんぱく質で、酸素の運搬役です。低値だと鉄欠乏性貧血などが疑われます。
・ヘマトクリット（Ht）男 40.4～51.9%、女 34.3～45.2%
血液全体に占める赤血球の割合です。低値だと鉄欠乏性貧血など、高値だと脱水などが疑われます。
・白血球（WBC）3500～9700/μL
細菌などから体を守る働きをしています。高値だと細菌感染、悪性疾患（腫瘍など）、低値だとウイルス感染、再生不良貧血などが疑われます。
２．肝臓系検査
・GOT 10～40U/L
・GPT 5～45U/L
ともに肝臓に多く存在する酵素です。肝細胞が破壊されると上昇します。高値だと肝炎、アルコール性肝障害、脂肪肝、肝硬変、肝癌などが疑われます。
・γGTP 男 79U/L以下、女 48U/L以下
アルコールに敏感に反応する酵素です（アルコールの解毒をします）。アルコール以外でも胆嚢や胆管に異常があると上昇します。高値だとアルコール性肝障害、胆石などが疑われます。また、女性の飲酒しない人が高値だと原発性胆汁性肝硬変といった特殊な病気が疑われます。
３．腎臓系
・クレアチニン（Cr）男 0.65～1.09mg/dL、女 0.46～0.82mg/dL
・尿素窒素（BUN）8.0～20.0mg/dL
本来尿から排出される老廃物です。高値だと（血液中に多く残っている）、腎機能が低下していることを意味します。
４．脂質代謝系
・総コレステロール（T-CHO）150～219mg/dL
ホルモンや細胞を作るのに大切な脂質ですが、増えすぎると動脈硬化を進め、心筋梗塞などの原因となります。高値だと動脈硬化、脂質代謝異常、家族性高脂血症、甲状腺機能低下症、低値だと栄養吸収障害、肝硬変などが疑われます。
・HDLコレステロール（HDL-C）40mg/dL以上
善玉コレステロールです。血液中の悪玉コレステロールを回収します。
・LDLコレステロール（LDL-C）140mg/dL以下
悪玉コレステロールです。血管壁に蓄積して動脈硬化を進展させます。今後は総コレステロールに変わり、高脂血症の治療の目安となる重要な項目です。
・中性脂肪（TG）150mg/dL以下
体内に最も多い脂肪で、糖質がエネルギーとして脂肪に変化したものです。数値が高いと動脈硬化を進展させます。前日の過食、飲酒によっても高値を呈することがあります。
・尿酸（UA）7.0mg/dL以下
たんぱく質の一種であるプリン体が代謝された後の老廃物です。尿酸が結晶として関節に貯まると痛風発作を起こします。高値だと痛風や尿管結石を起こしやすくなります。
５．糖代謝系
・血糖値（BS）70～109mg/dL
糖とは血液中のブドウ糖のことで、エネルギー源として全身で利用されます。数値により、ブドウ糖がエネルギー源として適切に利用されているかが解かります。高値だと、糖尿病のほか膵臓疾患が疑われます。
・ヘモグロビンA1C（HbA1C）4.3～5.8%
過去１ヶ月程度の平均的な血糖の状態を反映します。治療の指標に用います。6.5%以上の場合、糖尿病の可能性が非常に高いです。また、5.6～6.5%の人は糖尿病予備軍です。
６．検尿
本来、蛋白や血液は尿中に認めません。それらが検査で陽性のときは以下のことが考えられます。
・蛋白
腎炎や糖尿病性腎症。ただし、激しい運動や、発熱などでも陽性になります。
・潜血
腎臓病、尿管結石、尿路感染症、膀胱腫瘍。ただし、尿中の血液以外の物に反応して陽性になることもあるので、陽性の場合尿沈査にての再検査が必要です。
検査結果が異常値だからといってすぐに治療が必要とは限りません。
まずは、御相談ください。